癌の患者さんが、主治医に緩和ケアを勧められるとモルヒネで命を奪われる所と勘違いをしてしまう患者さんいます。
がん緩和治療のゴールは「良く生きるために心と体の苦痛をとる」ことであることは、院長の著書の中でも「がん緩和ケアを早期から積極的に取り入れることで、生活の質を高めて延命効果も」と説明されています。
今回は、がん疼痛治療の主役である鎮痛薬「モルヒネ」について説明したいと思います。
「医療用麻薬」に分類されているモルヒネは、「麻薬」という言葉から、「中毒になる」「廃人になる」「死を早める」など、負のイメージを患者さんやご家族はお持ちではないでしょうか。しかしこれは我が国に未だはびこる誤った「都市伝説」です。モルヒネは200年以上研究され、痛みを消すだけではなく、がんに伴う激しい咳や呼吸困難感(息苦しさ)をも緩和してくれることが検証されている自然界が人類に与えてくれた最高のプレゼントの一つなのです。
独立行政法人 国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報サービス がんの統計’12 13医療用麻薬消費量 4モルヒネ、フェンタ二ル、オキシコドンの合計
(100万人1日あたりモルヒネ消費量換算[g])2007-2009
※国際麻薬統制委員会(INCB) 報告
統計のために定義された1日投与量(S-DDD:フェンタニル0.6mg=オキシコドン75mg=モルヒネ100mg)で換算
日本で経口徐放製剤としてのモルヒネが、がん疼痛治療薬として認可されたのは1989年、WHO が1986年に国際標準のがん疼痛治療法のガイドラインである『Cancer Pain Relief』を公表してから3年後のこと。以来、消費量は増加しているが、未だアメリカなどの北米諸国の約5%、欧州諸国の半分以下である。後塵を拝している日本だが、モルヒネ以外に、オキシコドン、フェンタニル、そしてメサドンを加えた、4 種類のオピオイド鎮痛薬を使用できるようになった
このように、モルヒネは苦痛を和らげ適切に使用することで確実にくつうわ和らげ生活の質を高めることができます。
モルヒネに不安を抱いているのは、患者と家族だけで、必ず主治医に聞いて説明してもらいましょう。
主治医も時間をとってくれ、説明してくれます。
副作用なども聞いて、副作用を軽減する薬も処方してもらいましょう。
病院に行く日は、一人で行かず、家族の付添の元、行き主治医に聞きたいことを事前にメモしていき
不安や心配なことを一ずつ聞いてみましょう。
質問が沢山ある場合は事前に相談日を申し込みましょう。
話しにくい医師の場合は、セカンドオピニオンを探し説明してもらいましょう。
セカンドオピニオンに行く際は「診療情報提供書」が必要なので、ファーストの病院に行き、窓口で申し込みをして
資料の揃う日を教えてもらいましょう。(有料になります)
患者さんと医師は相性がありますから、ストレスのかからない医師を選んでください。